天台宗の葬儀については、顕教法要、例時作法さらに密教法要の儀式によりまして実施されます。この宗派では、仏の教えを顕教及び密教に分けて捉えています。顕教につきましては、自分自身を救って他人を利するといった教えで、それに対して密教に関しては、仏と自分自身の一体を観念して仏の境地へとたどり着くという教えになります。
こうした教えにより故人の罪もしくは穢れをきれいにし、故人並びに緑者と併せて仏道に到達するというのが、顕教法要及び密教法要の捉え方になります。顕教法要においては、法華経を読誦することによって故人の生前の活動を対象にした懺悔を実施します。
懺悔につきましては、仏性を高くする意味があります。密教法要においては、サンスクリット語自体を音写している光明真言を念誦することによって供養します。このことより故人が極楽浄土に引導される事を祈ることになります。一方で、こうした間に行われる例時作法においては、阿弥陀経を読み救いを求めて、極楽浄土へ往生するように願うことになります。このような事儀式により、仏の道へと導きます。それに加えて、葬儀では、散華ということで蓮の花びらに見立てた紙をまくセレモニーがあります。